2006年度の法制度改正点
公益法人制度の改正ポイント
今回の改正がおこなわれた背景としては、民法が、いわゆる株式会社・営利法人と公益法人についてしか定めておらず、非公益的な活動をおこなう非営利団体といったNPOのような類型の団体について、法人化を認めることができないという法律上の不備を挙げることができます。そこで、今回の改正では、従来、法人化を認めることができなかった団体についても広く法人化を認めようという趣旨のもと、NPOなどの非営利法人についても法人化を認めた点に意義があります。さらに、従来、NPOを含む公益法人の設立許可は、主務官庁の自由裁量でおこなわれるとされましたが、今回の改正により、認定・監督機関のもと、法律に基づいておこなわれると変更されました。これにより、公益事業比率が50%以上であるような場合といった客観的な要件のもと、設立が許可されることになりました。
公益法人制度改正後の問題点
今回の改正ポイントはというと、NPOの法人化が容易になった点と、設立要件が客観的に示された点にあり、この点はメリットとして評価できるといえます。ただし、問題は、現行のNPO法が、非営利活動をおこなう団体の法人化を、比較的容易な要件で認めているという点にあります。今回の改正により、非営利法人は公益法人制度の適用を受けて法人化が認められるようになったわけですが、同時に、理論上は、NPO法の適用対象ともなってしまい、両者の兼ね合いをどうするかという点に、混乱が生じてしまっているわけです。ただ実際上は、今後、非営利法人を設立する場合には、公益法人制度を検討すべきということはいえるでしょう。こうした問題を背景として、今後は、NPO法の見直しが待たれることとなります。
認定NPO制度の改正ポイント
まず、認定NPO制度とは、税務当局が一定の要件のもと認定したNPO法人について、税制上の優遇を与えるとする制度ですが、実際には、この認定要件が厳しく、この制度の優遇措置を受けられる法人は少数にとどまっていました。したがって、近年は、この認定要件の緩和が課題であるとされてきたわけですが、今回の改正は、それを受ける形で実施されました。具体的な改正ポイントを挙げると、まず、活動に参加しているメンバーからの会費などを、対価を求めない会費の寄付として認め、寄付の総額を増やしていくことで要件緩和を目指した点にあります。さらに、従来、個人の寄付金の支出額から1万円を控除した金額を、寄付した人の年間総所得額等合計から控除していたものを、5千円に変更するという要件緩和が試みられました。この2点の要件緩和により、認定NPO法人の増加が見込まれるであろうというのが、今回の改正趣旨といわれています。
