休眠NPOの活用
休眠NPOとは?
社会的評価の高まりとともに、2007年には、NPO法人の数が、ついに30,000(内閣府国民生活局)を超えるようになりました。しかし、実際に活動しているNPO法人は、そのうちの半数程度で、そのほかは休眠状態にあるといったことも指摘されています。こうした実際には活動をおこなわず、休眠状態にあるNPO法人は、一般に休眠NPOと呼ばれています。こうした休眠NPOが存在する理由としては、NPO法が法人化の要件を比較的ゆるやかに定めているため、安易な法人設立の後、ミッションが形骸化し、事実上、休眠状態になってしまうといったケースが考えられるでしょう。また、カリスマ的なリーダーがいた場合、その人物が高齢、病気などを理由にリタイアして、後継者に事業が引き継がれると、求心力を失い、活動が縮小されるなども考えられます。実際に、NPOの活動を継続することは、運営資金の確保や人材確保など、さまざまな面に課題があり、容易ではないという状況があります。
休眠NPOを活用するメリット
NPO法人の設立は、要件さえ満たせば、比較的容易に認められるといえますが、それでも、新規の立ち上げでは、設立総会等の準備など、設立までに約半年間を要するとされます。一方、すでにNPO法人として認められている場合に、役員の交代をおこなうのは届け出だけで済み、より短期間で、本格的な活動にはいることができます。しかも、NPO法人としての実績があるような場合は、それを引き継ぐことが可能であるというメリットもあります。また、全体としてみた場合、休眠状態にあるNPO法人が数多く存在するということは、NPO法人制度に対する社会的な不信感にもつながることになり、社会的な損失も大きいといえます。そこで、新規にNPO法人を立ち上げるというアプローチだけでなく、休眠状態にあるNPOを活用することは、さまざまな面で、メリットがあるということができます。
休眠NPOの運営法
休眠NPOを引き継ぐ場合、まず、候補となるNPO法人の定款をよく調べる必要があります。調査の結果、定款の目的や活動分野と今後活動を予定している活動分野が大きく異なるような場合には、定款の変更ということになりますが、これには約4か月の期間がかかるとされているので、なるべく内容が一致している休眠NPOを探すようにすべきでしょう。そして、今後予定する活動分野とほぼ一致する定款を有するNPO法人を見つけたら、役員として参画するための手続きに入ります。それにはまず、そのNPO法人の会員となり、理事会に働きかけて、役員としての地位を受けるようにしましょう。その上で、他の役員に働きかけて、理事会での承認を受けられるよう手配することとなります。実質的に活動が停止しているようなNPO法人の場合には、この過程で、役員の交代による経営権の引き渡しが可能となりますので、法人の再活性化がスムーズにおこなえることとなります。この場合、既存の会員に対する説明責任が前提となりますが、入退会については、会員の完全なる自由ということになりますので、引き継ぎ後のケアは必須となります。なお、全役員の交代となる場合には、所有財産が問題となりますが、個人財産については返却するか、NPO法人として買い取りまたは賃貸などの方法を考えることとなります。
